2011年11月30日水曜日

ちょっとハイソな島

サン・バルテレミー島(Saint-Barthélemy)はサン・マルタン島と同じく、元々グアドループ県の一部でした。2007年にグアドループ県から分離し、それぞれ独自でフランス海外準県となりました。ですから現在はグアドループ県、サン・マルタン準県、サン・バルテレミー準県が存在します。
サン・バルテレミー島はサン・マルタン島のすぐ南東に位置しています。島の面積はサン・マルタン島よりもさらに小さく、車で走れば小一時間で一周できてしまいそうな大きさです。島の大部分は山で、そしてもちろん島の周りは美しい海なので、ため息が出るくらいの絶景ポイントがたくさんあります。家々はその山にへばりつくように建っている場合が多く、そこからの眺めも素晴らしいでしょう。
公用語はもちろんフランス語ですが、英語もよく通じます。島内には港の他にも小さな空港があり、主にグアドループ島やサン・マルタン島間を就航しています。
通貨はユーロで物価は決して安いとは言えません。特にハイシーズンにはホテルはいいお値段になるとの事。
島にはあまり大きな建築物はありませんし、南国の時間はゆっくりと流れます。しかし素朴さと言うよりは洗練の印象が強いです。それは例えば道にゴミが落ちていなかったり、島の人の立ち振る舞い、コミュニケーション方法などからきているように思います。
サン・バルテレミーに関するハイソサエティーな話をいくつか耳にした事があります。某有名人が島内に家を所有しているらしい、とかそういった類いの話です。事の真相は定かではありませんが、実際行ってみると環境の素晴らしさからそれも頷けると思います。



2011年11月29日火曜日

マリゴ(Marigot)

フランス側の中心地であり首都のMarigot(マリゴ)はとてもコンパクトな街です。だいたい徒歩で散策できます。港に面したマルシェでは新鮮な魚やフルーツが手に入りますし、ショッピングモールで買い物を楽しんだり、マリーナ脇のカフェで船を眺めながらお茶をしたりと散歩に適した街と言えるでしょう。マリゴはあまり派手さはないものの、かと言って閑散としてもなく、無理のない自然な賑わいのある街です。
マリゴの港脇には小高い丘があるのでその頂上まで登ることをおすすめします。そこはかつての要塞Fort Louisです。Fort Louisからはマリゴの街を一望できます。天気がよければオランダ領の一部やお隣の島(英国領アンギラ島)まで見渡す事ができます。
それを見ればマリゴの街の様子、マリゴからオランダ側まで続くサン・マルタン島西部のユニークな地形、アンギラ島までの距離感覚などが直感的にわかるはずです。



2011年11月28日月曜日

フランスとオランダの島

サン・マルタン島(Saint-Martin)のフランス領側は以前グアドループ県の一部でしたが、2007年にグアドループから分離しフランス海外準県となりました。サン・マルタン島は島の北半分がフランス領、南半分がオランダ領というたいへん珍しい島です。(ちなみに英語ではセント・マーチン、オランダ語では シント・マールテンと言います。)両サイドの行き来は自由にでき、境界では何のチェックもありません。ただ、当然ですが、国境を越えると言葉と通貨、電圧まできちんと変わります。フランス側の公用語はもちろんフランス語で通貨はユーロ、オランダ側の公用語は実質英語、通貨はUSドルかアンティル・ギルダー。でも実際は両サイドでユーロ、USドルが共に使える場合が多いです。

サン・マルタン島は決して大きい島ではありませんが様々な国籍の人々が住んでいます。さらに、島の南には巨大な客船が停泊し観光客が多く、街には免税店やブランド物を扱う店も多数あります。
車で走る場合、街を離れると坂道が多く、たまに悪路もあるので運転には多少注意が必要です。その為か車高の高い4WDの車をよく見かけます。(フランス車、日本車に加え意外にもアメリカ車が多い。)



にほんブログ村 トラコミュ カリブ諸島 セントマーチン島へ
カリブ諸島 セントマーチン島

2011年11月26日土曜日

セント・マーチン島の動画

セント・マーチン島ってこんな所です。楽しそうでしょ?
コスモポリタニズム的な所が気に入っています。


2011年11月24日木曜日

マリ・ガラント島(離島)

Guadeloupe本島の南東部に位置するおにぎり型をした丸い島をMarie-Galante(マリ・ガラント)といいます。(ちなみに現地ではグランド・ガレットという愛称で呼ばれている)
通常マリ・ガラントへ行くには首都のポアンタピトルからフェリーで行くのがいいでしょう。約45分で着きます。マリ・ガラントの時間の流れはグアドループ本島以上にゆったりとしていて自然に身をまかせたような感覚で時が経過していきます。海は非常に美しく、そんなビーチでのんびりしたり、あるいは少々スリリングですがジェットスキーをレンタルして思うまま縦横無尽にキラキラ光る海面を走ることもできます。

とても良質なラム酒を作ることで有名なBielle蒸留所もこの島に現存し、その施設を見学可能なのでこれは一見の価値有りです。また蒸留所には試飲バーとブティックも併設されているのでお酒の好きな方は是非訪れる事をおすすめします。

もしグアドループ本島からマリ・ガラントに日帰りで往復する場合、ポアンタピトル行の最終便は16時頃ととても早いので注意が必要です。日帰りフェリー往復チケットと島内のレジャーがセットになったプランもあるので、それらのサービスを利用すれば効率良く楽しめると思います。

バギー、ジェットスキー等の問い合わせ:
Aïchi-Fun 
ATTN: Mr. Marcellin
contact@aichi-fun.com
http://www.aichi-fun.com


2011年11月23日水曜日

ラム酒の道という名のレース

“La Route du Rhum” これは直訳すると「ラム酒の道」という意味。 “La Route du Rhum”とはフランスの北西部の港町Saint-Malo(サン・マロ)を出発地点とする大西洋単独横断ヨットレースのことです。だからこの道は陸上ではなく海上にあります。レースは1978年より4年に一度秋に開催されていて、去年第9回目の大会が行われました。そして、そのゴール地点というのがGuadeloupeの中心地Pointe-à-Pitre(ポアンタピトル)なのです。
レースの名は、グアドループをはじめとするアンティル諸島で生産されたラム酒をヨーロッパ本土に運ぶ道を(逆に?)辿る、ということに由来しています。

出発地のサン・マロとゴールのグアドループには選手やヨットを見ようと現地に多くのファンが集まります。その総走行距離およそ6,500km。睡眠を削りひたすらGuadeloupeを目指し走り続けるヘビーなレースです。(2006年大会のトップクラスの選手でゴールまで1週間強かかったとのこと。)
これまでの出場者は欧米諸国(ほぼEU諸国)の選手で占められていますが、いつか日本勢の活躍も見たいですね。

Site Officiel de La Route du Rhum – La Banque Postale 2010
http://www.routedurhum-labanquepostale.com

特別なラム酒

日本の田んぼに稲が広がっているのと同じ様にグアドループにはサトウキビがたくさん生い立っています。そして、まるで米から日本酒ができるようにサトウキビからラム酒が作られています。ラム酒の生産が盛んなこのカリブ海エリアにおいて、それ自体は自然な事かもしれません。しかし、特筆すべきはその製法です。
一般的なラム酒の製法は、サトウキビから搾った「サトウキビジュース」を煮詰め、砂糖の結晶を分離した後に残る「糖蜜」を発酵、蒸留させて作るインダストリアル(工業的)製法と呼ばれる方法です。
この製法なら原料であるサトウキビからラム酒と砂糖の両方を作り出すこともでき、コスト的には有利です。現在世界中で作られているラム酒の約98%がこのインダストリアル製法によるものだと言われています。「サトウキビジュース」の原価というのは「糖蜜」の約十倍でおまけに冷凍保存ができません。ですから、普通はインダストリアル製法なのです。

それに対し、フランスの海外県であるグアドループとお隣のマルティニークのラム酒の作り方はアグリコール(農業的)製法と呼ばれ、「サトウキビジュース」から砂糖の結晶を分離せず、「サトウキビジュース」をそのまますべてラム酒だけの為に使い、発酵、蒸留させます。それ故、味わい深いラム酒を作り出すことが可能です。
世界中のラム酒全体の僅か約2%にすぎないフランス海外県の製法というのは非常に贅沢な製法で、そしてその贅沢さが味わいにしっかり反映されているのです。
安価なインダストリアル製法のラム酒とアグリコール製法のラム酒とを飲み比べてみればその味わい深さの違いがよくわかると思います。

ラム酒の種類は大きく分けると3つ、無色透明なブラン(ホワイト)、琥珀色のアンブレ(ゴールド)、数年間バーボンの樽等で熟成させ茶色に変化したヴュー(ダーク)。色の違いは、熟成させた年数に関係があります。
飲み方は多種多様です。ブランはカクテルベースに良く用いられますし、ヴューはウイスキーのようにロックやストレートでもいけます。


2011年11月21日月曜日

グアドループ島って?

パリからカリブ諸島へ約8時間のフライト、そこにもう一つのフランスがあります。 小アンティル諸島に位置するGuadeloupe (グアドループ)です。このGuadeloupeはフランスの海外県なので歴としたフランスの一部です。
日本で例えればとても遠くにある沖縄、あるいはアメリカにとってのハワイのようなところ、と言えば想像しやすいでしょうか。もちろん一年を通して常夏なので、Parisが雪のパラつく凍てついた日の短い真冬であっても空港から飛行機に乗りさえすれば数時間で季節はすぐに真夏へと変わります。

Guadeloupeのメインの島はちょうど蝶々が羽を広げたような形をしていて、地図に向かって右側をグランテール、左側をバステールと呼び、その他にもいくつかの小さな島々があってそれらを総称してグアドループと言います。Guadeloupeの総面積は東京都の2/3強、人口は約45万人。

街にはホテルや小規模のカジノ、KFCにマクドナルド、それとやはりフランスですからカルフールもあります。繁華街中心以外に信号は皆無。交差点はすべてヨーロッパ本土と同じくサークル形式で、道はよく整備されており悪路はまずありません。一方、たまにイグアナが道を歩いていたり、ウシやヤギが放牧されているのを目にします。このようにインフラが整いながらも自然は人々のごく身近にある、そういった環境です。

当然、海はひたすら美しくバステールには火山や熱帯雨林も存在し、平地ではサトウキビ畑、バナナ園などをよく目にします。産業の中心であるサトウキビからは昔から良質なラム酒がつくられていることで有名です。